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雨の降る夜は傍にいて…
第7章 五月雨(さみだれ)
 11 大学デビュー

 わたしの大学はある意味、一流ブランドに匹敵する大学なのである。

 そして、それはつまり、一流ブランド大学の女子大学生という事になり

 世間では…

 街では…

 持てはやされる…

 モテモテな女子大学生であるのだ。

 そしてわたしはさっそく同じ教室に通う派手な見た目の、いかにも遊んでいそうな同級生に声を掛けたのである。

「ああ、アナタの事知ってるわぁ…
 バスケで有名なんだよねぇ…」
 幸い、その彼女『真理』さんはそう言ってきた。

「ええ…そうなのぉ…
 そうなんだぁ…、もおバスケ出来なくなっちゃったんだぁ…」
 軽く事情を話すと、そう言ってきたのだ。

「でぇ、何…
 ふぅん…
 つまりぃ、今から大学デビューしたいのねぇ…」
 わたしが全てを話さなくても、真理さんは全てを理解したかの様にそう言ってきた。

「うん…」

 大学デビュー…

 つまりは、今から色々と遊びに目覚めたい、遊びたい…
 そういう意味である。

「なんかぁ、おもしろそう…
 いいわよぉ、じゃあ、今から友達ね…」
 真理さんはにこやかな笑みを浮かべながら、そう言ってくれた。

「わたしもさぁ、ゆりさんとは弱冠違うけどさぁ…
 この大学に入学できるようにってさぁ、高校時代までは勉強しかしてこなくってさぁ…
 入学と同時にさぁ、ある意味、同じ大学デビューしたからさぁ…
 なんとなくゆりさんの気持ちは分かるかもね…」
 真理さんはそう呟いてきたのである。

 そうなのだ、いや、この大学に入学している大半の学生はそうなのであろうと思われるのだ…
 その位にこの大学は、高校時代まで一生懸命に、必死に、勉強中心に頑張って来なければそう簡単に入学できる偏差値ではないのだ。

「周りもさぁ、ほとんど大学デビュー多いからさぁ…」
 そして真理さんはそうも云ってきた。

「じゃあまずは、ファッションからだわねぇ…」
 
 そしてわたしの、遅まきな大学デビューが始まったのである…
 




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