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雨の降る夜は傍にいて…
第2章 春雷
 34 昂ぶる興奮

「じゃ、わたしもシャワー浴びちゃうね…」

 俺はドキドキしていた。

 まさか、こんな展開になろうとは、想いもしなかったから…

 確かに、体育館の管理室では気持ちの抑えは効かなかった。
 昂ぶる心の衝動を抑える事などできなかったのだ。

 だが、俺的には、抱き締めるだけで…

 キスできただけで…よかったのである。

 とてもこんな展開は予想だにしていなかったのである。
 確かに、ゆり姉ちゃんの混乱と錯覚の隙間を突いての、兄貴になりすますような卑怯な手段は取ったのだが、それはやむを得ない展開ではあった。

 いや、あれはオスの、男としての、メスを手に入れる為の手段の一つではあるといえる…

 そして、それにはゆり姉ちゃんは怒ってはいなかった。

 そしてこの展開である…

 正に、夢の様な、理想的な展開ではあるのだが、正直、あまりにも急展開なので心が落ち着かない、いや、準備もできてはいないのである。
 だが、シャワーを浴びていて、ピンクのタオルや、女性用のボディーソープやシャンプーを見て、すっかりと興奮してしまっていたのである。

 そしてシャワーを出た時にゆり姉ちゃんはTシャツを手渡してくれたのだが、その視線が俺の昂ぶり、バスタオルを通して盛り上がっている股間をしっかりと見ていたのであった。

 ドキドキ、ドキドキ…

 そして初めて入った女性の部屋に、ゆり姉ちゃんの匂いに、心とカラダの興奮と昂ぶりが収まらないのである。 

 セミダブルのベッド…

 薄いピンクのタオルケット…

 壁に掛かっている女性用のスーツ…

 部屋の隅に、おもむろに脱ぎ捨たのであろう丸まった靴下…

 そしてさっき抱き締めた時に感じた、このゆり姉ちゃんの匂い…

 ドキドキ、ドキドキ…

 心臓が破裂しそうであった。





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