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雨の降る夜は傍にいて…
第2章 春雷
 60 二人の魂…

 なぜならば、その啓ちゃんの言葉はわたしにとっては…

 わたしにとっては…

 啓ちゃんの言葉ではなく、ただしの、亡くなったたーちゃんの言葉として捉えていたからである。

 偉そうな事を啓ちゃんには語っていたのではあるが、心の中では、わたしの本音、本心では当然たーちゃんの事を忘れられる筈がなかった。
 いや、忘れられなかったのだ。
 だから、この目の前の瓜二つの啓ちゃんは、わたしが、過去のたーちゃんとの未遂であったという、いや、出来なかったという後悔の心と、懺悔の想いを乗り越える為の身代わりとしてわたしの心の中に存在していたのである。

 だからといって決してこの啓ちゃんを否定している訳ではなくて、つまりは、そう

 たーちゃんと啓ちゃんの二人の存在と同時にセックス、初体験をさせた…
 結果的にはそんな感覚であったのだ。

 感覚的には二人と、いや、二人の魂と同時にセックスをした、愛し合ったのである…

 なぜならわたしにとっては、もちろん既に亡くなっている過去の存在のたーちゃんをこの啓ちゃんにダブらせ、実在するリアル啓ちゃんを通り越して、いや、透かしてのたーちゃんの存在なのであったのだ。
 だから、現実的には、たーちゃんであり、啓ちゃんである二人の存在、魂と同時にセックスをし、愛し合ったといえるのである。

 わたしはそんな事を想いながら、ゆっくりとカラダを起こし、自らのアソコにティッシュを当てながら処理をし始めていく。

「あら、さすがねぇ、すごくたくさん出ているわよ…」
 アソコから啓ちゃんの大量の7年分の想いの量の精子が流れ落ちてきていた。

 すごい量だわ…





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