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甘い蜜は今日もどこかで
第6章 【キミの隣に居たい】







「おはよう、つーちゃん!今日が撮影最後だけど最後の1秒まで全力で恋人で居てね」




朝からハイテンションなDAiKIさん。
コロコロ変わる表情は見てて飽きない。
カメラが回ると一瞬にしてアーティストの顔になるのを間近で見てきたから凄い人だってわかってる。
時々グイグイ来ちゃうけどだいぶ慣れてきた最終日。




「おはようございます、はい、宜しくお願いします」




「こら、敬語」




「わかってるよ、もう」




相変わらず会って2秒で恋人モード。
今日は一番大事なジャケット写真撮影。
首から下だけどかなり密着して撮るから朝食はスムージーだけにしておいた。
際どいところまで脱ぐからね。
ジロウのヤキモチがかなりの見所かな。
なんて、もう顔が強張ってますけど。




ちゃんと見ててね。
私が成長したってところ。
ジロウの為に綺麗に撮ってもらうから。
怒っちゃダメだよ。
嫉妬は軽くしてて。
終わったら必ず褒めてね。
ジロウの元に必ず帰るから。




「今日が最後とか寂しい」




ヘアメイク中もべったりしてきて手を握られてのセリフ。
どれだけの女のコに言ってきたんだろうね。
ギュッと握り返して。




「ねぇ、そんなこと言ってるけど、これからこのアルバムが世に出て、ダイちゃんの才能がもっともっと開花してさ、色んな所で耳にして目にしてどんどんファンがついてきて、メディアに引っ張りだこになるよ?そしたら私の方が置いてきぼりだ、寂しいのはどっち?」




「つーちゃん………」




「アハハ、うそうそ、置いてきぼりされてもずっとずっと応援してるよ、もういちファンだからね!そんな顔しないの、イケメンが台無し、ちゃんと大切な作品になれるよう全力を尽くすからダメなところは遠慮なく言ってね」




「俺、やっぱ惚れたわ、こんなコ初めて」




「お、それは良かった、選ばれた時点で私、ラッキーガールだもん」




「ちょっとごめんね」とヘアメイクさんに断りを入れてから抱き締められた。
「つーちゃんと出逢えて俺の方がラッキーだよ」ってまだヘアメイクの途中だったのにその場でキスしてきた。









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