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甘い蜜は今日もどこかで
第6章 【キミの隣に居たい】
「変わりはないようで何よりです」
__椿は?元気か?
ヤバい、こっちもこっちで“椿”呼びだったの忘れてた。
絶対に怒ってそう。
良い気分はしないよね。
逆だったら発狂してる。
「はい、元気ですよ、明日からまた宜しくお願いします」
__少しだけ早く来てくれないか?朝食でも、一緒にどう?話したいこと、たくさんあるんだ
「あ………ハイ、では8時とかはどうでしょうか?会社前で宜しいですか?」
__うん、それで
「下のカフェ前でお待ちしてます」
あっ…!
急に足元に来たジロウと目が合う。
ぷぅ…と頬を膨らませて怒ってる素振り。
ジェスチャーでごめんねと伝えるけど
「早く顔見たい」って副社長の声に反応しようとしたらTシャツの上から乳首を甘噛みしてきた。
これには流石に身体がビクンとなる。
声が出そうになって慌てて口を押さえた。
離そうとするけどジロウが言う事聞かない。
「椿?」ともう一度呼ばれてハッとする。
「はい、そうですね」
曖昧な答えになっちゃう。
もう唇が重なって答えさせなくするから舌を甘噛みしてキスを中断。
背中を向けて通話を続けるのは面白くなかったよね。
首筋にキスしてきてくっついてくる。
「私もちゃんとお話したいです、明日」
__うん、良い話?悪い話?
「それは……会ってからのお楽しみです」
__怖いな、でも椿の声聞くと落ち着く……明日からまた“藤堂さん”か
「いつでも“藤堂”でお願いします」
ヤバい、乳首触られたら声が震えちゃう。
ジロウの手を退けるけど止めてはくれない。
__やだ………今は“椿”で良いでしょ?
副社長がそう言ったのに反対側の耳元で「ダメ…」とジロウが囁いてくる。
耳を甘噛みされて肩をすくめても逃れられない。
携帯を離して「変な声出ちゃうから」って怒ったらまた足元に来て。
シュン…とするから反省してくれたのかなって思った。
正座して“待て”状態のジロウも、これ以上はマズいと思ったんだろう。
それが可愛くて私はこんな時でも仕返ししたくなる。
「私も副社長の声、久しぶりな気がします、3日ぶりなのに懐かしいですね」