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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第9章 ディオン(呪われた王宮)
「イヤッ,イヤッー・・・」
アズートの・・・尊敬する司教と思っていた大トカゲの笑い声が、頭の中で響いて鳴り止まない。
ルナの精神は崩壊寸前であった。
三年前からの怪物の記憶が、意識の塊となってルナの心に飛び込んできた。
清純なルナには耐えられない事であった。
全てアズートの罠だったのだ。
三年前の飢饉もアズートの魔力のせいだったのだ。
怪物の意識の片隅に、ルナの愛する男の名を見つけると気が狂いそうであった。