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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第58章 不安(アズート)
アズートが僧侶として復活してから七年が過ぎていた。
アキニシス王国は平和を享受していた。

王は妻の美しさにハッと息を呑む事がある。
結婚した時の年齢が若かったとはいえ、マチルダはまだ三十歳にもなっていない。

そして、その若々しい美貌はとても一児の母とは想像もつかない。
染み一つ無い肌は透き通る如く白く、細い手首でさえ弾力を感じさせる。

スラリと長い両足がドレスの裾からのぞかせると、王の胸は今でもときめくのだった。
マチルダの瞳がほのかに金色に輝く時、王を始め人々は吸い込まれるように見つめてしまう。

きりっとしまった眉のカーブと共に、半月形の大きな輪郭が二重に縁取られ長い睫毛に覆われている。
すっと伸びた鼻筋の下にはプックリとした唇が濡れるように光っている。
豊満な胸元は深い影を作り腰のくびれを強調しているのだ。
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