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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第58章 不安(アズート)
『お前は淫乱なのだ・・・』
そんな時、男の声が聞こえてくる。
以来、マチルダはなるべく床を共にせぬように努めた。
何の後ろ盾もない少女にとって、王の愛を失う事は出来なかった。
それでなくても王宮の中では、マチルダに嫉妬する者が少なくなかったのだ。
王妃にあるまじき淫乱な行為を女官達にでも聞かれたらと思うと、気が気ではなかった。
共に逃げて来ていたジューム人達は、年老いた者ばかりで皆、死んでしまった。
残された唯一のジューム人である自分を、かばってくれる者は一人もいなかったのだ。
二人の愛の絆は強い。
激しい営みは無くとも、王と王妃は心から愛しあっているから。
今では、マチルダの美貌と「貞淑な妻の振るまい」で国中の人望を集めていた。
そんな時、男の声が聞こえてくる。
以来、マチルダはなるべく床を共にせぬように努めた。
何の後ろ盾もない少女にとって、王の愛を失う事は出来なかった。
それでなくても王宮の中では、マチルダに嫉妬する者が少なくなかったのだ。
王妃にあるまじき淫乱な行為を女官達にでも聞かれたらと思うと、気が気ではなかった。
共に逃げて来ていたジューム人達は、年老いた者ばかりで皆、死んでしまった。
残された唯一のジューム人である自分を、かばってくれる者は一人もいなかったのだ。
二人の愛の絆は強い。
激しい営みは無くとも、王と王妃は心から愛しあっているから。
今では、マチルダの美貌と「貞淑な妻の振るまい」で国中の人望を集めていた。