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おさななじみ
第9章 彼女の望む言葉
言葉につまった俺は『ご馳走さま』と言いそうになり、さすがにそれはないだろうと思い直す。

「えっと、俺なんかを好きになってくれて、ありがとう」

「…ッ」

「嬉しかった」

「…七瀬君」

「はい」

「合格!」

横川は向日葵みたいに笑って
俺の頬に軽くキスをした。

「最後の最後で、私が欲しかった言葉をくれたね」

そうか「ごめん」じゃなく
「ありがとう」って言えば良かったんだ。


「ばいばい、七瀬君」

横川が部屋を出ていく。
俺は淋しげな背中をそっと見送った。

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