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いんらん荘の蘭子さん
第14章 さようなら印蘭荘
新年になりました。
入居者たちは実家に帰省していて、印蘭荘は閑散としています。

トイレから出てきた私は、大きなため息をつきます。
「出来ちゃった・・・」

妊娠検査薬のスティックには、はっきりと2本の線が出ています。
忘年会で4人に中出しされた後、生理は来ませんでした。

誰の子供でしょうか?
四ツ橋くん? 二木くん? 五十嵐くん? 三宅くん?

私はすごく悩んで、ひとつの結論に達しました。

私の身体の中に宿った新しいいのち・・・私はちゃんと産み育てたいです。
誰の子供でもかまいません。
私はひとりで育てます。

四ツ橋くんも二木くんも五十嵐くんも三宅くんも、みんな未来ある大学生です。
私のことは気にせず、それぞれが自分の夢に向かって進んで欲しいです。

そして私は、印蘭荘を閉鎖することにしました。
これから膨らんでいくだろう私のお腹を、入居者たちに見せるわけにはいきません。
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