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第15章 再会

印蘭荘を廃業して５年が経ちました。

私は印蘭荘があった町から遠く離れた土地で、小さな食品会社の事務員として働いています。

今日、私は休暇を取って、喫茶店にやってきました。
息子の朔太郎は保育園に預けてあるので、私は夕方まで時間があります。

「蘭子さん、お久しぶり。　ずいぶん探したんだぜ。　印蘭荘が閉鎖されてから、音信不通になったから･･･」
私を呼び出した四ツ橋くんが、笑顔を見せます。

四ツ橋くんの顔立ちには精悍さが加わり、以前にも増して、いい男になったようです。

「よく私を見つけ出せたわね」
私も笑顔でテーブルに着きます。

「仕事がら、探偵まがいのテクニックも身に付くよ。　でも、５年かかった」

「頑張ってくれたんだね」