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愛しの茉莉亜
第5章 綾
一、二年の頃はお互いバイトで貯めたお金で、こだわりのカメラを買い、色んな所へ出かけ写真を撮りまくった。


三年になってからは僕は茉莉亜に出逢ってすっかり写真の事を忘れていた。


綾が僕に気があるのは分かっていたが、僕はずっと気付かないふりをしていた。


僕は綾にはどうしても恋心が生まれなかった。


恋人というより、良い友達とし付き合っていたかった。


「松本君、何か撮ったの?」


暗室に向かおうとした僕に、綾が話しかけてきた。


「うん、ちょっとね」


僕は素っ気なく答えた。


綾はその後何も言わなかった。


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