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ひまわりの花束
第17章 明日から
エントランスを抜けて振り向くと、後ろからそうさんが小走りにやってきた。
「ちーちゃん、帰ろう」そう言って私の手を取ろうとする。
「待ってください、会社の前ですよ」
「良いじゃん」
「良くないですよ」
駅まで話をしながら歩く。
「ねえ、旅行中毎日メッセージ送って」
「わかりませんよ。プライベートなんですから」
「相変わらずだね」
周りに人が多くなると「もう良いでしょ」そう言ってそうさんが手を繋いできた。
途中の細い路地の入口でいきなり手を引っ張られる。
びっくりしている私にそうさんがキスをしてくる。
何だか怒っているように激しく長く唇を噛むように、激しいキスだった。
「待って」「人が通る」
「だれも通らないよ」
されるがままで立ち尽くす。それなのに離れるのが寂しい。
「もう、帰ります」息を切らしながらようやく伝え離れると黙って駅まで手を繋いで歩いた。