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密会
第13章 🌹あとがき🌹
🌹April🌹
校内で1人エッチする美月ちゃんをスマホで動画保存して、それをゆすりに使い、強引に彼女との関係性を築き上げた最初のシーンです。
携帯番号を登録させて1コールで出ろと言ったり、冷笑を浮かべたりしていましたが、その理由は【愚かな本心を隠す為】です。
その為に、低俗な人間を演じるのは彼にとって都合が良かったんです。
調教・翻弄する目的で彼女と接触したわけではないので、まずここでひっくり返ります。
「お前の脅しに使ったあの動画は、翌日既に消去していた」
終章のこの言葉から、翌日、美月に素っ気なく密会の日時と場所を伝えて強引に電話を切った段階で、日比谷教頭のスマホからは既に動画が消されている事が分かります。
“傍若無人な彼の事だ。すぐに強引に舌をねじ込んで、息が苦しいディープキスをするのかと思いきや、触れるようなキスから始まった。”
ホテルに呼び出されて、黎一さんに初めてキスをされた際の美月ちゃんの心情です。
強引にされると思ったのに、触れるようなキスから始まる。
自分は自らの卑しい欲望を叶える為に俗悪な人間を演じなければならない。
でも、ずっと好きだった相手に初めて触れる機会でもある。
彼視点から見ると、触れるようなキスはその中で出た彼の無意識の行動という意味がとても強いです。
その後日比谷教頭は「確かめたい事がある。」と言って美月ちゃんの両手首を縛りますが、その後解放します。
彼女に被虐趣味があるか確かめる為です。彼はサディストの気性がありますが、彼女にそれを押し付ける気は最初から無いのです。マゾであったら好都合。まあ違ければ優しく抱こうみたいな感じだったんですね。
その後、
“両手が自由になったのはいいが、悦楽に浸っていた私は、急に物足りなさを感じてしまい、結局両手を頭上で組んだまま、意図が読めない彼を見つめた。”
と美月ちゃんが行動した事で、この女と自分は身体の相性が良いと確信し、彼は“不敵な笑み”を浮かべたという流れになります。
“私の名を”
“黎一で構わない。”
“堪らないな。”
この言葉は全て自分の独占欲を満たす為です。主従関係の確立、躾や洗脳の手段として彼女に指導しているようにも見えるので、不思議ではないですね。
全て計算で言葉を発しています。
まだこの頃は、理性を保てていた黎一です。