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密会
第13章 🌹あとがき🌹
④ 「何故謝る?私に凌辱されて果てたかったんだろ?」
耳の奥に絡みつくような、甘くねっとりした声に鳥肌が立った。
このシーンの前、美月は恋人の名前を呼び、助けてと呼ぶシーンをすっ飛ばして「黎一さん」と狂ったように呼んでしまいました。
それを「惜しかったな、美月」と揶揄するような口調で言われて、「ごめんなさい。」と美月が謝った彼女に囁いた彼の言葉です。
この台詞、正しくは「何故謝る?台詞が抜け落ちる程、私とのセックスに没頭していたんだろう?夢の日比谷教師ではなく、この私に凌辱されて果てたかったんだろう?」という強い意味が込められていました。
でも美月は、「お前は台詞を間違えたが、どちらも日比谷教師である事に変わりはない。気にしなくていい。」みたいな解釈をしています。
だから「でも折角合わせてくれたのに、私が台無しにしてごめんなさい。」と彼の心の内を何も知らない彼女はそう謝りました。
日比谷教頭からしたら、その台詞は正しく受け取ってほしいとは微塵も思ってなかったので、ただ美月を真面目で可愛い女だなぁって思いながら、エクスタシーへと導いていったという感じになります。分かりづらい....。
⑤ 何度も失神させられたセックスを経て、日比谷教頭のベッドの上で覚醒した美月に対する一変した彼の態度。
セックスの後は美月に見向きもせず、いつもシャワーを浴びて身支度を整えた美月に彼は次の密会日を素っ気なく伝えてホテルを出るだけでした。
そんな彼が美月の目覚めを隣で待っていたり、挙句「離したくないな。」と口を滑らせてしまいました。
彼女が愛おしくて下劣な男の設定、彼もまるっと頭から消えてしまったんです。
⑥「お前が楽しかったのなら、それでいい。」
穏やかな口調でそう言うと、普段からは考えられない程、優しくて【慈愛に満ちた瞳】で彼に見つめられ、頬を撫でられる。
この【慈愛に満ちた瞳】は、最後、挙式で誓いのキスを待っている美月を見つめていた【慈愛の籠った眼差し】と同じ目になります。
でもその目は、「離したくないな。」と彼の口から溢れた独り言のような言葉に「どういう意味...?」と美月が問いかけた事で、途中消えてしまいます。
バスルームに消えていく際、
彼としては「まずいな。勘づかれたな。」という危機感を募らせています。