この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
密会
第10章 🌹March(終章)-1🌹
4日間に渡って実施された学年末考査が終了し、終業式を控えた3月。
日比谷教頭との事を思い出さないように、仕事に打ち込んだ結果、疲れ切った身体は鉛のように重くなった。
だが、このまま帰宅する気にもなれない。
明日が彼に別れを告げられる日だからだ。
前日の夜、繁華街をいく当てもなく彷徨う。
都会の喧騒から離れた裏路地に入り、隠れ家のように、ひっそり佇むバーが目につく。
青いネオンでLUXESと書かれた看板が出ており、雑居ビルの2階に繋がっていた。
思いっきり飲みたいな。
階段を登り、店内に入るとロングカウンターと天井にまでボトルが並ぶバックバーが目に飛び込む。
カウンター席には1人、サラリーマンの男が座っているだけで、店内はひっそりとしており、落ち着きのあるバーだった。