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密会
第10章 🌹March(終章)-1🌹




「君は幸せになるべき人間だよ。君は彼をとても愛しているようだけど、ソイツはただ君の輝かしい人生を台無しにしているだけとしか思えない。辛いかもしれないけど、今のままでは君は彼に捕らわれたまま前に進めないと思うんだよね。君はもっと相応しい人を見つけるべきだ。その為の1歩として、俺の提案に乗ってみるっていうのも悪くないと思うけど、どうだろう?」


彼の話を聞きながら、喉がカラカラに乾いていくのを感じた。
マスターに、フルーツカクテルのお代わりを頼む。
出された甘いカクテルを口に含みながら、この男の誘いに乗るかどうかを考えていた。

「もし俺との性行為に躊躇しているって言うんなら、君の身体に目立つ傷だけを残す予定ではいる。そこは君の好きにしたらいい。」


「...どうして私の為にそこまでしてくださるんですか?」


「そうだなぁ、多分君の事が好きなんだろうね。」


茶髪の髪をかきあげると、彼は屈託なく笑った。その表情が美月の傷ついた心にじんわりと染み込んだ。

甘い誘惑に褒め言葉

その時は、彼に煽てられているなんて微塵も感じなかった。


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