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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第8章 【戻れないのなら一緒に乗り越えてください…】





寝る前に観てたとか一番ダメなやつじゃない。
寝落ちする確率大なんだから。




「驚いたわ……まさかあなただったなんて……こっちに越してきてから良くしてくれていたあなたが、あんな淫らに」




何も言えなかった。
騙していた事実は何をしても消えないのだから。
これから私はあなたにひれ伏せる…?
私が…?




「奥さまもアレ以上のことをされてましたよね?」




「やっぱり、観てたんですよね、あの時……」




そう、あの時、窓際であなたはご主人に公開羞恥プレイをされていた。
目隠ししていたのであなたからは見えなかったでしょうけど、私に対する焚き付けですよ、ご主人からのね。




「ええ、奥さまもそれを受け入れていたのでは?見られることで快楽を得ていましたよね?」




「主人の性癖だから……全て受け入れていたわ」




あんなに潮吹いて射精後の後片付けまでさせられて悦んでいたのに。




「本題はこれからなんだけど」と言われて視線を戻す。




「不倫相手にこんな事言うなんてどうかしてるって思われるのも百も承知なんだけど………別に弁護士入れて慰謝料だとか、離婚だとかは考えてないの、主人がどう思っているかは別として、あなたも今の夫婦関係を終わらせる気は更々ないでしょう?」




「はい、捨てられたら終わりでしょうけど私からは離婚しません」




「お互いに利害が一致する方向で話を進めていきたいんだけど、一応、不倫サレタ側として………飲んでもらいたい条件がある」




条件……?
ポーカーフェイスぶりは完璧だと思う。
彼女から目を逸らしたのでそれなりの条件なんだろうなと推測するが、お金でないなら何?
まさか、亨さん含めてのスワッピングだったらどうしよう?
私だけズルいと言われたら返す言葉もない。




「出来ることなら飲みますけど……」




ガタンと立ち上がりこっちに来たので身構える。
あ、一発殴らせて、かも。
咄嗟に歯を食いしばったが隣に席を移しただけだった。
さっきより近い距離。
自然と身体も向き合う。




「何でしょう……?」




そんな溜めて言うこと?
私だけがダメージ受ける事かな。
慎重に言葉を選んで言おうとしてるのが伝わってくる。




「あのね、引かないで聞いて欲しいんだけど……」








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