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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第8章 【戻れないのなら一緒に乗り越えてください…】
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肩で息しながらモジモジしてる。
わかってるよ、キミも葛藤してるってこと。
でも今日は現実に戻ろうね。
「帰らなきゃ………ごめんね」
「はい、僕の方こそごめんなさい」
チュッとまた重ねたら煽るってわかってるのに何回もキスしたくなる唇だね。
「もう……本当に終わり」って一線を引いた。
色落ちしない崩れないルージュで良かった。
バックミラーで確認し、今度こそシートベルトを装着する。
私たち、バカみたいに信号止まるたびにキスしてた。
周りの目なんて気にしてないの。
寂しそうに車内でバイバイする。
「今度いつ会えますか?」
連絡先を聞かれたけど主人にバレたくないから…と一度は断った。
でも結局、納得してくれなくて。
「見送った後にもう会いたくなってるはずだから」なんて言われたら携帯を出してしまう。
全然使ってないけどSNSのアカウントを教えた。
そこで我慢出来ない時だけメッセージのやり取りをしようと提案する。
渋々納得してくれたから良しとしよう。
「次も会ってくれますか?」
「ん?会いに来るよ」
「いつ?」
「今此処では約束出来ないけど、きっとまた車飛ばして来てるかも」
「好き………好きです、十和子さん」
凄い唇見てくる。
キスしたいんだね、あんなにしたのに。
また顔が近付いてきて唇が重なる。
クスクス笑う。
「ねぇ、帰れないよ」
「帰したくない………困らせちゃうけど」
「んんっ……困る」
「はい、ごめんなさい」
「んんっ……」
離れないじゃん。
胸をトントンするけどより深く絡ませてくる。
もうすっかり日は沈み、辺りは暗かった。
見た目より結構肉食で、どさくさ紛れに胸を揉まれた。
すぐに手を重ね阻止する。
「ダーメ、暴走しないで?私が止めれるうちに帰って?お互いの為よ?」
そう言うとそれ以上はしてこなかった。
理性が勝ったのだ。
まだおあずけ。
次もまた新鮮な気持ちで会えるように。
見えなくなるまでバイバイして、再び静かに走り出す。
また新たなハイエナかと、亨さんが呆れるかしら。
愉しかったです、自分のモノにしていく過程は。
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