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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第3章 【何度出逢っても墜ちてしまう…】





「そうだよ、俺まだ真剣に親父じゃなくて俺を選んで欲しいって思ってるからね」




「叶えられなくても?」




「うん、思うのは自由でしょ?」




「そうやって未来を縛っているのが私なんだよね」




「縛られてなんかないよ、俺自身が決めたことだから叶わなくても自分で責任取るよ……叶って欲しいけど」




15も離れた一颯くんにこんなことを言わせている時点でダメね。
慌てて強く抱き締めてきて「泣かないで」ってそっちが泣きそうな顔してる。




「十和子さんを失う方が俺ダメになるから……だからお願い、俺にフラれるの待ってて……多分そんな日は来ないと思うけど」




「いつか、酷い女に引っ掛かってたって愚痴ってね」




「十和子さんは酷い女じゃない、俺が本気で愛してる人だよ、それは絶対に変わらない」




「ごめんね、好きになっちゃって……」




そんなことを言ったら更に縛りつけてしまうのに。
本当に手放せないのはどっち?




「ありがとう、好きになってくれて」




泣きそうになってる顔、見られたくないのに顎クイされて重なる唇。
肩に掛けてたカーディガンも腰まで落ちて舌を絡ませ合ってしまう。
愛する人の子供がこんなに愛おしいとは想定外だったの。
グイグイくるタイプは遠ざけていたのにキミだけはどうしても手放せない。




いつしかキミは「2番目で良いから愛して」と言った。
それが現実になってる。
他の人に注ぐ愛より格別に大きい。
たまに迷うのよ。
足を止めてみたくなる。
それさえ奪いに来るキミに翻弄されてるのは私の方ね。




一颯くんの一人暮らししている部屋で時間の許す限り愛し合う。




「ピアス置いてって」




「え…?」




「また取りに来れるでしょ?」




こんな可愛いことも真顔で言ってくる。
2番目だから次に会う確証が欲しいのね。




「じゃ、取りにも来るし、届けにも来て?」と2つ外してテーブルの上に置いた。
再びキスされてベッドに寝かされる。




「もう帰らなきゃ」




「ダメ………最後もう1回」




可愛く我儘なところ、嫌いじゃない。
亨さんが帰って来るまでよ?
帰る時間も計算しなきゃ。
それでも伸びる手は中心へ。
ずっと勃ってる、良い子。








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