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北の軍服を着た天使
第2章 Episode 2
「あ、流川」
「はい!」
「この近くに新しくケーキ屋さんが出来たの知ってるか?」
「ケーキ屋さん?」
「あれだよ、芸能人の大原明美がプロデューサーの東京でかなり流行ってる…「シャトレーゼプラス、ですか?」
「あーそうそう!」
「競りとかは俺らがやっとくから、今からそこのケーキ買ってウーファに差し入れしてやってくれんか?流石に1億近い注文入って何も無しは、キツイやろ…。」
「確かに」
「で、行って渡す時に二週間あれば全部用意出来るって言っててくれ。物自体は一週間と少しで用意して、残りの数日で整備完璧にやってから渡すってな、感じで。」
「わかりました。二週間ですね。」
「せやな。向こうの言った期限が一ヶ月やから二週間でも早い方やと思うわ。」
「わかりました。インボイスも書き終わってるんで、今から行ってきます!」
「はいはい。気をつけてなー」
普通なら幾ら中古車屋といっても向こうの読み通り納車までに一ヶ月はかかる。台数が多ければ多いほど日数を要すものだ。
でも私達は自分で言うのも何だけど創業20年の歴史と、車好きばかりが集まっていると云う事実も踏まえて全国にネットワークがある。一ヶ月と言われても二週間で仕事をこなす事は……別にそれほど難しくはなかった。
「じゃあ、行ってきますね」
「ああ。」