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第1章 生け贄に選ばれし者。

とある、最果ての村で

「お父ちゃんっ！お母ちゃんっ！オラ、嫌だ！！生け贄なんてっ」



「滝…この村を救うにはオメェしかおらんだ…しかだねんだ…お前を生け贄にした後に、おっとうもおっかぁもお前の後をちゃんと追うから…だから頼む…滝。」


「お願いだよ、滝」


「お母ちゃんまで、そげなこと……っ」



「この村は滝…おまえの手に掛かっておる。一人の生け贄と…村人全員野たれ死か…どちらが良いか滝の中でも答えはてでいるのだろう、堪忍して水神様の生け贄になるのじゃ…。頼むっ！この通りじゃっ！」



滝にブカブカと頭を下げるのはこの村の長を務める、おマツおばぁだった。


長の命令は絶対。その願いを受け入れなければ家族はこの村ではもう居られなくなってしまうのだ。



話は戻るが、最近この村では、干ばつに見回れていた。


何日も雨が降らず、川は干上がり。汗水流し村人達がせっせと育てた作物や稲などは大打撃を与えていた。



もちろん 村全員で祈祷もしたが効果はなかった。


そして…大人の村人達が一晩話し合った結果。