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第12章 12

千紗から唇を重ねられてようやく理解した。


他の女となんてする訳ない。


千紗だけいればいい。


「付き合ってくれんの？」

「………ぅ、ん」

「マジで？」


ヤバい…。

嬉しすぎてどうにかなりそう。



恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋める千紗を抱き締めて幸せの余韻に浸り続けた。


「ペットからヒーローに大出世じゃん…」


俺がポツリと呟けば千紗は顔だけ上に向けた。


それも少し不満そうな顔で。


「ヒーローじゃないから」

「え？でも彼氏…」

「うん、ヒーローではない」

「もしかしてまだペット…？」

「なんだろうね」


さすがにペットではないだろうけど…。


でもやっと千紗が俺の彼女になった。


嬉しすぎて爆発しそう。