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碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】





大丈夫、私はそんなに酔ってない。
このまま帰れる。
とっとと放っておいて帰ろうかと思えば足にしがみついてきて「頼むから帰らないでくれよ、何もしないから!」って信じられる?




送るの引き受けなければ良かったと今さら後悔しても遅い。
のこのことこの家に来たのも私。
寝顔見たら帰ろうって思ってたのに。
鍵はポストに入れたよってメッセージ送るつもりだったのに。
ベッドに引きずり込まれて添い寝パターン。




「ねぇ、ちょっとお水飲みたい、私が」




「俺が取ってくるから、ね?そこから動かないでよ?」




後ろ向きに歩いたりするから家具にぶつかって尻餅をついたりするんでしょ。
起き上がろうとしてテーブルに頭ぶつけてるしコント見てるみたい。
小さな一人暮らし用の冷蔵庫開けて私がミネラルウォーターを取り出した。
一口飲んで「飲む?」と手渡す。




酔ってるからこぼしちゃうし。
Tシャツ濡れちゃって「冷たい」と脱ぎ出す。
思ってた以上に鍛え上がってる身体からすぐ目を逸らした。




「何処にあるの?クローゼット開けるよ?」




適当にTシャツを取って着させたら手を引いてまたベッドに連れて行かれる。
「マジで帰るから」って何度も言ってるのに引かないね。
押し問答してたら突然「うぇっ…」て言うから血の気が引いたわ。
まさかね、ここに来て吐かれるとは思わなかった。




仕方なく、やむを得ず、アキラの家でシャワーを浴びた。
服も洗わせてもらった。
Tシャツ借りて部屋に戻ったら正気に戻ったのか、頭を床に擦り付けて「申し訳ございません!」と土下座していたのだ。




濡れた髪のまま、男のデカいTシャツ一枚で遠慮なく窓開けてファブリーズ振りまくってやった。
ドカッと座って沈黙のままドライヤーをあてる。
自分の家なのに端っこで小さく正座して待ての状態だ。




そうだよ、送ってくれた人に帰るなと喚いてゲロ吐いて大迷惑かけたんだからそのまま小さくなってな?
ちょうど洗いも終わって乾燥機かけようと思ったらぶっ壊れてるらしい。
部屋干しになった。
時間かかるやつじゃん。
このまま帰れないし。







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