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碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】





「良いの?」って嬉しそうなナオを見て幸せな気持ちになる。
私はナオにはつけない。
モデルだからね。
私とは違う、前に出る仕事だから。
見えないところにつけて欲しいと強請られるけど敢えてしないの。




次にエッチする時までウズウズしてて欲しいから。
早いサイクルで次がくるから。
そうすることで離れてる時間も支配出来るからね。
恐ろしいね、私。




時々、私の方が早く帰って来る事もある。
明かりがついてない部屋に帰るのがこんなに寂しいなんて思いもしなかった。
何か、広告の仕事が入ってちょっとの間は忙しくなるって言ってたな。




1人の時はついついビール片手にスマホでSNSをアップする。
フォロワーさんと絡む。
急に踊り出す、それも撮る。
ベランダに出て夜風に当たり、ナオを想う。




マネージャーさんの車で帰って来たのを上から見て嬉しくなって玄関で待ちわびる。
「ごめんね、遅くなった」と帰って来たナオに飛びついてキスするまでがルーティーンなんだよ。




「先に飲んじゃった、ごめん」




「ううん、酔ってる理世ちゃん可愛いから許す」




「酔ってないよ、1本だもん」




「本当に〜?この目は1本じゃなさそうだぞ?」




「え、わかんない」




「わかんないんだ?アハハ、可愛い」




「ねぇ、早くこっち来て」




手を引っ張りリビングに連れて行く。
「待って、手を洗わなきゃ」と途中にある洗面所に入ろうとするけどグイグイ引っ張る私に負けてる。
一緒にソファーに座ってまったりしたいのに上着脱いだらキッチンに行っちゃう。
テクテクついて行って手洗いするナオに後ろからハグするの。




「あ、ほら、缶2本空いてるよ?今3本目?」とか訳の分からないこと言うからムムム…と膨れっ面になるんだよ。
クスクス笑うナオをやっとソファーに座らせて跨いで座る。
抱っこされてる子供みたいにナオの匂いを嗅ぐの。
これが一番安心する。




ナオの手を取って自分の頭に乗せる。
「良い子良い子して」って甘える私はやっぱり酔ってるみたい。
ナオにとってはレアな私だと言う。
たまには良いよね。
フニャフニャな私を見せても。
気分が良いんだ。







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