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碧い雨の夜に…
第5章 【不変的に……】





「わかった、19分の電車に乗るね?」




__うん、リュックでお尻隠してね?痴漢とか気をつけて




「はいはーい」




何か照れるな、今からこの人に会いますって思うと恥ずかしいけど嬉しい。
嬉しいし、本当は大きな声で叫びたい。
私のだから諦めてくださいー!って。
子供じみたこと考えちゃうよ。




グレーのフード付きスエット上下に黒のキャップ、黒のマスク……たったこれだけでも目立ってる。
モデル体型だし(モデルだけど)、どんなに顔を隠しても格好良さは誤魔化しきれてない。
目だけでイケメンってわかるよ。




改札から出てきた私を見つけるや否や嬉しそうに駆け寄って来て「お疲れさま」って頭を撫でてくる。
反則的な眼差しで「理世ちゃん帰ろう」と手を繋いでくるのはズルいです。
嫌味の1つも言えやしない。




「はぁ~全部許しちゃう……」




「え?なに?」




「変装してって言ったけどさぁ……」




「あれ、こういうことじゃない?ごめんね、あまり変装したことないから」




「もう………色気だだ漏れなんですぅ」




「え?色気?それなら理世ちゃんの方が何億倍もあるよ?」




話通じないな。
歩幅も私にいつも合わせてくれてゆっくりめ。
ちゃんと車道側歩いてくれてリュックも取り上げられて軽くなった。
言わなくてもそれ、当たり前のように出来ちゃうのは最大のモテ要素なわけで。




「お腹すいた?パスタとかならすぐ出来るよ?」




私、もう、このスパダリ彼氏をどうすれば良いの?
ちゃんと手元に置いておけるの?
もう充分過ぎるくらい依存してるけど、ある日突然離れなきゃならなくなったら私耐えれる?
この手、離せる?




「理世ちゃん?」の声がしてハッとなる。
慌てて「ナオの作るパスタ好き」って精一杯の笑顔で返した。
それから真っ直ぐ家に帰って着替えようとしたら荷物置いたナオが後ろからハグしてきたの。
いつものことなのに、一瞬強張っちゃった。




「理世ちゃん、何かあったでしょ?何か無理してない?僕にそれ、言えたりしないかな?1人で抱え込まないで…」




「え、なに?別に何も……どうした?」








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