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碧い雨の夜に…
第1章 【衝動的に……】





でもさ、そもそもその判断基準って何処から…?
曖昧だよね。
だからこれくらいはOKなのかな?って探り探りやってます。
全てはナオのジャッジだから。




怒られたら怒られたで止めれば良いし。
可愛く「ごめんね」って謝ればナオはフニャっとなって許してくれる。
「気をつけてね」とか言うけどドキドキしてくれてるの気付いてるよ?
たくさんのプロモデルと一緒に仕事してきたはずなのに、急に免疫のない男の子になったりするから益々興味が湧いちゃう。





「踊ってるリセちゃん格好良い」




緩い振り付けならナオもすぐ出来るよって教えてあげる。
リビングで遅くまでキャッキャ言って騒音に気を付けながら踊る。
すっぴん2人でお酒飲みながら、気が付けばナオの膝枕で寝ていた。
優しく髪を撫でられている。




「リセちゃん、ベッドに移すよ…?」




そんなことを言われて身体が宙に浮いた。
フワフワして気持ち良い。
そっとベッドに置かれて手が離れる時。
無意識だったといえば無意識だったと思う。
咄嗟にナオの首に手が伸びて身体を起こした私はそのまま勢い良く唇を重ねてしまったみたい。




すぐにゴロンと寝落ちしたフリしたけど。
酔った勢いだとしても、普段抱いていた願望を現実でやってのけちゃうなんて、ナオは一体どんな顔してたのかな。
朝起きたら一番に怒られちゃう…?
それとも、なかったことにする…?
唇の感触……凄く柔らかかった。
忘れるはずないのにね。





何も言わずに布団を被せてナオは離れていくだろうと思った。
ギシッと鳴る音とともにナオからの、長いキスを受けることになろうとは全く予想していなかったのだ。
震えているようにも感じた。
額をくっつけて数秒間。
間近で吐息を感じながら寝たフリしなきゃならない拷問。




「起きてるでしょ、リセちゃん」




やっぱりバレてた?と目を開けてしまったけど、本当はそうだと気付いてなくてカマかけたんだって。




「何でキスしたの?」




そう聞いたのは私だった。
ただの酔っ払いに絡まれたくらいにしとけば良かったのに。
勘違いじゃ済まされなくしたのはナオの方だよ…?




自覚あって、したんだよね…?









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