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碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】
「この辺は適当に振り付けしてもらってOK、6秒後にこの位置に戻って合わせる感じ」
未完成だった個々の動きがフォーメーションチェンジしていく中で一つ一つ重なって形になっていく。
頭の中で出来上がっていた5人のフォーメーション通りに皆が動いてくれるからスムーズだった。
自分が思い描いていた画より更に格好良くキメてくれてこんなに胸を打たれた経験はないよ。
皆に感謝してる。
今まで一緒に踊ってきた仲だから阿吽の呼吸というか、私の癖を凄くわかってくれていて。
欲しいところド真ん中に“コレでしょ?”って形で落とし込んでくれる。
通しで何回も合わせた。
声を張り上げてリズム刻んで手を叩き合って最後まで5人全員で。
「イェーイ!バリ格好良い!めっちゃタイミング合ってる、本番いっちゃう?」
撮ってるアキラも興奮気味に声を張り上げている。
一瞬休憩して息を整えてから本番一発撮りに挑戦。
よし、私たちの本気ぶつけてやる。
オーナーもアキラの隣で見守ってくれている。
5人息ぴったりのダンスパフォーマンスを撮って韓国の事務所に送ってもらった。
「踊っててめっちゃ楽しかった」って言ってくれて泣きそうになる。
アキラもウズウズしてたのか、覚えたての振り付けを踊り出し、また皆で踊る。
6人バージョンが即席で作られた。
一人だけゴリゴリなのが居るのよ。
爆笑しながら踊った。
「クソー!俺も混ぜてくれよぉー!」
「アハハハ…!!」
さすがプロなだけあって振り付けは完璧。
男が本気で踊ると更に格好良くなっちゃってて“踊ってみた”動画で男子5人でも踊らせてみると(ヤバ……イケる)って皆も興奮。
皆が大絶賛してくれた振り付けは合格しなくても皆の中でバズってくれたから悔いはないや。
完成した動画を早くナオにも見せたくて帰ろうとした。
泊まった後だし皆も早く帰らせようとしてくれたんだけど「ちょ、ちょい待てぃ!」と離そうとしない奴が。
「え、なに?帰るよ?」
「お、お前……アレだろ、帰ったら……ほら」
何が言いたいのかよくわからないけど、少し間を置いて「じゃあね」と行こうとすると全力で止めてくる。