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碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】





「アキラが不調な時とかダメな時はいくらでもこうやって付き合うよ、幼馴染み兼親友としてね?そこに下心は1ミリもない、今の関係が崩れることもないよ、大切な仲間、他の人より絆は強いけど……同じ家に帰ったり将来を共に過ごす間柄ではないの、それだけはわかって?」




真っ直ぐ見ていた目が次第に曇っていく。
この感じを何度も繰り返してる、私たち。
絶ち切った方が良いの?
それは出来ないよ、切っても切れない仲だと思うから。




自分の人生の中でアキラが居なくなるのは考えられない。
それってダメなことなのかな?
中途半端なの?
親友だよ、誰にも負けないくらい。
彼女が出来たなら大事にしなよって、女の気持ちがわからないならいくらでもプレゼンするよって。




それって私の独りよがり?
どうやったって報われないアキラが可哀想?
思わせぶりな私が一番悪い?




「俺の中では理世が一番だよ……それだけは変わんねぇんだ、今も昔も」




またこんな顔をさせてしまう。
ごめんねって言えなくなる。
そしたら急に肩震わせるからまさか泣き出したかと思って焦る。
「アハハハ」って笑うんだもん。
きっとこれもアキラの優しさ。




「俺らいつまでこんなことやってんの?告白何回させんだよ、フラれ慣れしてきてんじゃねぇか、マジで成長しなさいよキミ〜!」




最後はこうして回収させちゃうの、本当悪いと思ってる。




「まぁアレだ、俺ら付き合い始めたの周りにはまだ内緒な?」ってまた始めてる。
乗った方が良いのか?わからなくなるよ。
「出ようぜ、家まで送る」と言って席を立ってしまった。




コインロッカーの荷物を取ってからタクシーに乗り込む。
引っ越して新しい住所、まだ教えたことなかったんだけど、運転手さんに言ってるの聞かれたと思う。
シートベルトも着けてくれて一言二言話してるうちに心地良い揺れで極度の睡魔に襲われたのだ。




途中で「電話鳴ってるぞ」と起こされ慌てて出る。
声の主はやっぱりナオでさっきとは打って変わった甘い声で「もうすぐ着くよ」と言って切ったつもりだった。




「あぁ、もうお前、こっち向いて寝てろ」




ぐらついていた頭に借りた肩。
「何で俺にしねぇんだよ…」とポツリ言われた言葉も全部聞かれてた。







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