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碧い雨の夜に…
第2章 【本能的に……】
家に着くまでずっと肩を抱かれてた。
眠くて仕方ないなんて言い訳に過ぎないかも知れないけど、そこが詰めの甘さなんだろう。
わかってるくせに拒絶出来ない自分のだらしなさ。
「着いたみたいだぞ、理世?起きろ」
「ん……着いた?」
シートベルトを外してもらって空いたドアから降りる。
ちょっとよろけてアキラに支えてもらった。
「あ、ごめんごめん」と言ったところに「リセちゃん」って近寄って来た人物。
顔を上げる前にアキラから離された。
「あ、理世ちょっと飲んでるから危ないんで送っただけっす、神に誓って何もしてないんで」
声だけ聞いてればよくわかる。
アキラの素のモード。
声が低くなる。
やっと顔を上げて「ナオだ〜」と言う私は本当どうしようもない奴。
「わざわざありがとうございます、たくさん飲まれたんですか?」
「いや、一杯だけだけどワインだから」
「そうですか、後はボクが見ますので安心してお帰りください」
「うん、理世帰るな?また明後日な?ちゃんと寝ろよ?じゃあ」
ナオにもたれ掛かる私はちゃんとバイバイも出来ずにタクシーは走り出した。
「帰ろう?」と言う私に何も言わずマンションへと一緒に入っていく。
時間が立てば立つほど酔いが回るな。
「飲むなんて聞いてなかったよ?」
エレベーターで2人きり。
やっぱり怒られた。
胸に頭預けて「ごめん」も通用しないのかな。
「何で家教えちゃうの、よりによってあの人じゃん……」
盛大な溜息にひたすら謝り続ける私。
鍵が入らなくて手こずっていたら「貸して」と取られて開けてくれる。
ドアを閉めたらもう動けない。
怒りに満ちた濃厚なキスで押さえつけられた。
「自覚足りないんじゃないの?リセちゃんはボクの恋人でしょ?幼馴染みとはいえ男なんだから気を付けてよ、ましてや相手はリセちゃんのこと好きなんだから……それともなに?ボクに妬いて欲しかったの?」
首から顎にかけて片手で押さえつけられているから返事も出来ない。
絡み合う舌がどんどん理性を壊してく。
「ごめっ……なさい」
糸を引く唾液がまだ許さないと塞がれる。