この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
気が付いたらナオの腕の中で眠ってた。
いつも優しく抱き締めて寝てくれる。
凄く愛を感じるから胸がキュンとなって温かいよ。
睫毛の長いあどけない寝顔をしばし眺めて幸せを噛み締める。
起こさないようにこっそり起きて、シャワーを浴び支度する。
眠そうに起きてきたナオが「もう行くの?」と後ろから抱きついてくる。
「うん、ごめんね、詰めたい振りがあるから早く行こうと思って」
「3分だけ待って」と慌てて歯磨きしに行く姿に笑ってしまう。
少し寝癖のついた髪を撫でてあげると唇突き出してキスのお強請り。
猫になったり犬になったり忙しいね。
「今日も遅くなる?」
「ん〜どうだろ?ナオが帰って来る頃に合わせるよ」
ナオはいつも20時くらいに帰って来る。
早い時もあるけど大体そんな感じ。
ニコニコしながら喜んでる。
「急いで支度したはずなのに今日も全部可愛いの何で?」って次は怒ってる。
「ナオの前でだからじゃない?」
好きな人にはいつだって可愛く見られたいもん。
ジッと見つめて離さない視線。
こうなることも含めて想定内だから余裕を持って早めに出ることにしていた。
「遅れちゃうよ」と言いつつナオの首に手を回して踵を上げてる。
行ってきますのキスが終わらない。
徐々に深くなるからこっちがストップをかけなきゃ。
「ごめんね、我慢出来なくて」
「続きは帰ってからね?行ってきます」
最後、1回ハグしてエレベーターに乗るまで見送ってくれた。
何となくエレベーター内の鏡を見たらギョッとするくらい鎖骨の下辺りにキスマークが。
慌てて見えないように隠す。
もうすでにスタジオ入りしていたアキラにもギョッとした。
「絶対早く来ると思って」ってお見通しされてて。
「メシまだだろ?」とコンビニのおにぎりやサンドイッチも。
なんだかんだ言ってもアキラには助けられてばっかな時もあるわけで。
「お、ありがとう」なんてクールぶるけど私の大好きな卵かけご飯風おにぎりがあるのを見つけ喜びを噛み締めながら手を合わせてお礼する。
「お前それずっと好きだよな」って頭クシャクシャにされても全然許す。