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碧い雨の夜に…
第3章 【必然的に……】
「日本飛び出す時、何で俺は置いてかれる前提なんだよ、一緒に行って踊ったらダメなの?」
あ…………ずっと傍に居るって確定なのか、アキラの中では。
「お前が感じる不安とかストレスとか全部ぶっ飛ばしてやるって言ってんだよ、だから目の前で堂々と踊れば良いじゃん、俺はそれを見届けるくらい良くね?唯一無二の仲間だろ?」
ドクン…とした。
かなりの変化球。
アキラなりの覚悟、みたいなもん?
あまりにも真っ直ぐな瞳で言ってくるもんだから茶化すことも出来ない。
いや、無理………そういうこと言われると思ってもみなかったからドバっと溢れ出てきた。
「うおぉい!どうした!?」ってアタフタさせるくらいポロポロと涙が零れ落ちていく。
感情の起伏が激しい。
「ねぇ、そういうこと言うの反則だよ」
「言わせてきたの理世だろ、本気でそう思ってるからその時が来たらちゃんと俺に言えよ」
「ん…………ありがと」
タオル渡されてそれで目頭を押さえる。
また髪をクシャクシャされたけどその後優しく撫でられた。
「ねぇ、私、彼氏居るからこういうことされると困るんだけど」
「は?俺らの絆に勝てるのか?まずは10年一緒に居てみろよ、そしたらちょっとは認めてやるから」
「何でアキラに認めてもらわなきゃならないのよ」
「じゃないと俺が可哀想でしょ?かなり拗らせてんだから」
「………拗らせてんの?」
自分で言っておきながら真っ赤になってるのウケる。
「そうだよ!」って投げやり。
その後すぐに「もう断らなくて良いから、充分フラれてんだからこれ以上トドメ刺すな」とも言われた。
「はい」と一応返事する。
時々、距離感がわからなくなる。
突き放すものの、都合良くアキラに甘えてる自分に気が付いて立ち止まる。
その度にアキラはズカズカと土足で踏み込んで来て「大丈夫だから」って、そのままのお前で居ろと言われてるみたいだ。
「拗らせついでに言っておくけどな、理世と踊ってる時が一番楽しい、俺も俺らしく居られるっていうか、ダンスってこういうことだよなっていつも気付かせてくれるのが理世なんだよ、だから同士でもあり尊敬もしてる」