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Biastophilia💋
第1章 Biastophilia
そこから少し状況が悪化した。
私は仕事帰り、ひょっとこの仮面を付けた不審な男に後を付けられるようになった。
私と不審な男との、鬼ごっこ。
でもいつも、自宅マンションまで逃げ込む私が勝利する。
マンションの3階の、渡り廊下から私は男を見つめるの。
暫く凝視していると、男は私に背を向けて帰っていくの。
決して家の中には入ってこないけれど、
男は私の家の住所を把握しているのも同然だった。
そんな状況下で、家の鍵をかけ忘れたら
どうなるかしら?
「貴方の全てを奪いたい」
そう書かれたラブレターをもらったその日の夜、私は敢えて鍵を掛けずに、高鳴る心臓を押さえながら、布団の中で待っていた。