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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第31章 美幸サイドストーリー①
名刺を渡された。かの有名な芸能プロダクションの人だった。名刺の正式な受け取り方を知らなかったので戸惑った。

「綿貫さん、どうですか彼女。私のお薦めです。」

棒立ちの私の姿を2人の男性に舐めるように見られる。

「うん、地味だけど顔の造りは整っているからメイクでかなり化けるね。あとその長い黒髪は重たいからヘアアレンジでなんとかするとか…酒井さん、ヘアゴムなんてありますか?」

「はい。」

社長秘書の女性は酒井さんというらしい。ヘアゴムを綿貫さんに渡す。

「ちょっといい?」

私の返事を待たずに綿貫さんは私の髪を触り、後ろでまとめてポニーテールにした。

「うん、長い首周りがスッキリして少し垢抜けた。」

「さすが綿貫さん。」

確かにポスター撮影の時もスタイリストさんにポニーテールにしてもらった。

「演劇部で活躍されているとか?」

「はい、うちの部の演劇は代々好評をいただいています。」

「なるほど。身長は?」

「156cmです。」

「ふむ。…さすがに今日水着の持参は言ってませんよね?」

綿貫さんが女性秘書さんに訊ねた。

「申し訳ありません。失念しておりました。」

「仕方ない、じゃあ下着姿になってください。」

「えっ?!」

「ウチではオーディションでタレントを募っています。その時は水着の審査もあります。貴女だけ特別扱いもできないし私も忙しいもので申し訳ないが別の日という訳にはいかないのですよ。」

「わ、わかりました…。」

このチャンスに機嫌を損ねられては水の泡なので勇気を出して脱ぐことにした。

「酒井くん手伝ってあげなさい。」

社長さんは女性秘書さんへ指示した。

「かしこまりました。では手荷物をこちらへ。」

秘書さんにバッグを預けてジャケットを脱いだ。その様子を2人の男性がじっと見ている。

「ジャケットをお預かりします。」

秘書さんに渡しセーターを脱ぐ。中はキャミソール。次々に秘書さんが服を受け取って畳んでテーブルに置いてくれた。

「……。」

「どうしたんだい?スカートも脱がないと進まないよ。」

社長さんが急かす。
無言で従いスカートを脱いでショーツを見せてしまった。

「酒井くん、さっさとキャミソールも脱がせたまえ。綿貫さんはお忙しいんだ。」

「はいすみません。…美幸さん、早く脱いで。」
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