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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第31章 美幸サイドストーリー①
両手を上に挙げた。社長さんが腋の下を覗き込む。昨日処理をしておいて良かった…。

「いいねー。私、女の子の腋の下が大好きなんですよ。私も塾の講師を何十年もしてきましたが、夏服での挙手はそっちに気がそれてしまうんですよ。」

「あはは、腋が好きな人いますよね。社長もそのお一人でしたか。」

社長さんの呼吸が荒く、様子がおかしくなってきたのが解った。獣のような目で私を見ている。

「…ねぇ美幸くん、下着も脱いでくれるかな?」

「嫌です!」

「ちっ!キミねぇ…。」

しまった、つい語気を強めてしまった…。

「…すみません。許してください。」

「社長、今日はその辺で。」

秘書さんがたしなめてくれた。

「あはは、社長。酒井さんがヤキモチ妬くからこの辺にしましょう。よーくわかった美幸さん。契約しよう!キミのその度胸も買った!まあ服を着なさい。」

秘書さんに手伝われながら服を着た。

「早いうちに仕事を手配しよう。学校とはきちんと両立できるよう配慮する。キミの担当を決めておくから後日その者から連絡させるよ。この書類を保護者の方に書いてもらって送って。事務所の住所は名刺に書いてあるからね。」

綿貫さんが鞄から書類の入った封筒を出して渡された。

「ありかとうございます!!よろしくお願いします!」

「うんうん。それじゃ社長、いい子を紹介してくれてありかとうございます。それでは私は社に戻ります。」

綿貫さんは部屋を出て行った。

「美幸くん、座りなさい。」

先ほどまで綿貫さんが座っていた椅子に座る。

「綿貫プロダクションへの契約おめでとう。」

「ありかとうございます。」

深々と頭を下げた。

「で、わかってるよね?」

「…はい、わかっています。でももう一つお願いしてもいいですか?」

「なんだね?」

「今日のCMの撮影、私をメインのストーリーに変えてもらう事は可能でしょうか。」

「…酒井くん、悪いが今日の台本を持ってきて。」

「はい。」

社長さんは渡された台本をペラペラと捲る。

「この台本の製作には私も関わっているんだよ。」

「そうなのですね。」

「…うん、丸ごと入れ替えてしまおう。それが早い。」

「とおっしゃいますと?」

「梨果くんの役と美幸くんの役をそのまま入れ替えてしまうんだよ。」

「ええっ!」
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