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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第31章 美幸サイドストーリー①
「当初は梨果くんが主役のつもりだった。でも美幸くんが手に入るならいいだろう。キミの価値は思ったよりも高いと今わかったよ。」

「あ、ありかとうございます。」

(梨果ちゃんには申し訳ないけどこれも夢のため…。)

「今後のことはまた連絡する。私が約束を果たしたのを忘れないように。」

「…はい、わかっています。」

「では美幸さん、撮影のほうにご案内します。」

秘書さんに連れられ部屋を出た。

待合室に行くと父がいた。

「長々と何を話していたんだい?お腹すいたろ?コンビニでおにぎり買ってきたよ。」

「ありがとうお父さん…。」

涙が溢れてきた。

(ごめんねお父さん、今まで大事に育ててくれたのに…。)

「どうした美幸?!おにぎりが泣くほど旨いか?」

「うんっ!」



「美幸さんいらっしゃいますか?」

「はい!」

撮影スタッフさんらしき人が迎えに来た。

「控え室の準備が整いましたのでご案内します。」

「わかりました。じゃお父さん行くね。」

「おお!頑張れよ!」


控え室には梨果ちゃんが丁度到着したところだった。

「…梨果ちゃん。」

「おはよー美幸ちゃん。」

「え?おは?」

「ギョーカイだと一日中おはようらしいよ。」

「知ってるけど梨果ちゃんから言われるとなんか可笑しい。」

「あ、笑った。久しぶりに笑顔を見たよ。」

「…そっか。」

「悩みがあったらいつでも相談してね。」

「いいの?」

「え?もちろん。」

「そっか…。」

「あー!この衣装。この前と同じセーラー服だ。前の貰っちゃったの悪かったかな。また同じのを手配するとは…。」

「私も前と同じブレザーだ。」

「役柄的にはポスターと同じ設定なのかもね。」

服を脱いで下着姿になった時、携帯の着信音が鳴った。

ブルルルル…。

バッグから取り出すと着信はおじさまからだった。胸が高鳴る。

「もしもしおじさま?どうしました?」

「美幸さん、大丈夫?変わったことない?」

「…大丈夫ですよ。いまはもう梨果ちゃんと控え室で着替えるところです。」

「そっか。何か心配事があったら相談してね。」

「…いいんですか?」

「えっ?もちろんだよ。」

「わかりました、そうします。…それではこれからメイクがあるみたいなので失礼します。」
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