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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第42章 新生クロッキー会①
梨果が舞台の上に乗ったのを確認すると講師が講義を始める。

「皆さんには初対面なので、まずどういう絵を描かれるのかラフ画を見せていただきます。今回の題材はこちらの学生服を着た少女とのことです。とりあえず私がラフを描いてみましょう。」

「私はこのまま立っていればいいの?」

「そのままでいいよ。」

梨果の問いに答えると講師はスケッチブックにペンを走らせる。

「こんな具合です。」

「おぉ…。」

スケッチブックに素早く描いたラフ画を受講者に見せる。さすがに上手い。

「とりあえず今からサッと描いてみてください。」

講師が教室内を歩いて各々の作品を眺めている。

「なるほど、皆さんのラフを拝見して気付いたのですが、美術畑というよりイラストを描かれている方が多くいらっしゃるみたいですね。該当されていたら挙手をお願いします。」

7割方の手が挙がった。

「なるほど、わかりました。イラストを描かれる方も基本は全く同じですので安心してください。」

「イラストかー。違いがよくわからないけど可愛いイメージあるよね。」

梨果が呟く。

「イラスト界隈では実物のモデルを写生する機会ってほぼ無いんです。」

「うんうん。」

「確かに。」

「美少女がモデルと聞いてこれだ!と思って申し込んだのです。私はアニメーターなのですが。」

数人の受講者が講師に話す。

「ほぅ、アニメーターですか。」

「はい、アニメでは制服はよく描かれます。ですので今回はとても勉強になるかと思いまして。」

「本来ならヌードを描いてその上に着衣させていくのが基本です。体型をうまく描けると自ずと着衣も自然に描けるようになります。」

「ぬ、ヌードですか…。なるほど、理にかなってますね。」

「え、もしかして私脱いだ方がいいのかな…?」

「えっ!?」

梨果の一言でシーンとなる場内。

「じゃあそうしてもらえるならお願いできますか。」

即肯定する講師。恐らく下心はなく至って技術的見地で言っているのだろう。
ざわつく場内。

「…わかった。」
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