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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第52章 あぶな絵の少女
松乃から指摘され所作を指導される。立ち方、座り方、歩き方を手短に指導されていた。
「松乃姐さんから所作を直接指導されるなんて祇園では名誉なのですよ。」
七代目が梨果に言う。
「で、でしょうね。でもつらー!」
「でもつらー!(声真似)じゃありません。梨果さんは古川英二文学賞授賞式という公の場で一条院巴先生と日本中の目に曝されるんです。しっかりしはりなさい。」
「が、頑張ります…。」
「いくら美人さんでも所作が美しくないと本当の美にはたどり着けないものなの。他にも芸事や教養も伴うとよりその人の魅力になるのよ。それは自ずと外見にも現れるものなの。」
「…はい、わかります。」
「頑張って。」
「松乃さん、いろいろありがとうございました。」
「なんの。またおこしやす。梨果さんもまた遊びにいらしてくださいね。授賞式楽しみにしてますわ。」
「鈴善さんもありがとうございます。」
「しっかり五つ紋仕上げさせてもらいます。梨果さんの“晴れ姿”を楽しみにしとります。」
そして鈴善は私に耳打ちをしに近づく。
「いつ見せてくれる?」
「だからまた今度ね。」
「ええー!」
「どうしたの?おじさん。鈴善さん泣いてるよ?」
「ん?なんでもないよ。私との別れが寂しいんじゃない?」
「いつのまにそんな仲良しになったの?」
「一期一会だよ。」
「???」
手を振る松乃と鈴善を後にして私と梨果を乗せた車は京都駅へと向かった。
「松乃姐さんから所作を直接指導されるなんて祇園では名誉なのですよ。」
七代目が梨果に言う。
「で、でしょうね。でもつらー!」
「でもつらー!(声真似)じゃありません。梨果さんは古川英二文学賞授賞式という公の場で一条院巴先生と日本中の目に曝されるんです。しっかりしはりなさい。」
「が、頑張ります…。」
「いくら美人さんでも所作が美しくないと本当の美にはたどり着けないものなの。他にも芸事や教養も伴うとよりその人の魅力になるのよ。それは自ずと外見にも現れるものなの。」
「…はい、わかります。」
「頑張って。」
「松乃さん、いろいろありがとうございました。」
「なんの。またおこしやす。梨果さんもまた遊びにいらしてくださいね。授賞式楽しみにしてますわ。」
「鈴善さんもありがとうございます。」
「しっかり五つ紋仕上げさせてもらいます。梨果さんの“晴れ姿”を楽しみにしとります。」
そして鈴善は私に耳打ちをしに近づく。
「いつ見せてくれる?」
「だからまた今度ね。」
「ええー!」
「どうしたの?おじさん。鈴善さん泣いてるよ?」
「ん?なんでもないよ。私との別れが寂しいんじゃない?」
「いつのまにそんな仲良しになったの?」
「一期一会だよ。」
「???」
手を振る松乃と鈴善を後にして私と梨果を乗せた車は京都駅へと向かった。