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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第55章 古川賞授賞式
授賞式が終わり会場を出るとロビーでの報道陣によるインタビュー地獄が始まる。
受賞の感想を聞かれるのは当然ながら、全員に梨果と作品のヒロイン花凜の関係について訊ねられた。むしろそっちがインタビューの本題のように感じられた。

「一条院先生、こちらのお嬢さんが作中のヒロイン花凜のモデルなのですね?」

“ご想像にお任せいたします”

インタビューでの回答はこれの一点張りにした。


控え室に戻ると晩餐会まで時間があった。会場は授賞式からパーティー形式への転換で大忙しだろう。

「さて、梨果ちゃん。着替えましょう。」

松乃に促され、梨果は奥にある部屋へ髪結いさんと3人で籠もってしまった。

「結局梨果さんは晩餐会での衣装はなににしたんだろうね。」

友也がケータリングのお菓子を食べながら呟く。

「さぁ、私も知らないんだよ。音大付属の“つて”で演奏会用のドレスでも借りたのかね?自分で手配したとか言ってたけど…。」

「あーそうかもね。てか父さんは着替えないの?タキシード借りられるってよ?」

「面倒だから紋付きのままでいいや。」

「あ、そう。俺は晩餐会には出られないから梨果さんの着替えが終わったら帰るよ。」

「そか、すまないね。」

しばらくして奥の部屋から松乃と髪結いさんが出てきた。

「梨果の着替え終わりました?」

「ええ。」

2人はニコニコと笑っている。

「今日はいろいろありがとうございました。」

「なんの、わたしもとても楽しかったですわ。晩餐会で皆さんが驚いた顔が見れないのが惜しいです。うふふふ。」

髪結いさんと目を合わせて笑う松乃。

「ん?皆が驚く顔??」

「梨果さん、おいでやす。」

「はーい。」

奥の部屋の扉を開けて梨果が登場する。

「じゃじゃーん!!」

「「あ!!!」」

友也と声を揃えて驚いてしまった。

「り、梨果さんその格好って…。」

友也の目が真ん丸だ。私もびっくり仰天した。

「ええーーー!!」
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