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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第58章 花凜ブーム
「本屋に市場調査でも行きますか。」

駅ナカの本屋に行く。積み上げられた私の受賞作。過去作も積まれて有り難い限りだ。

雑誌コーナーに行くと梨果を記事にした週刊誌が複数あった。

「私の記事より多いな…。」

各メディアのインタビューで必ず質問されている“一条院先生との関係は?”という質問に対して梨果は“ヒミツですっ!”と答えを統一していた。
私はといえば美月や奏音に言っているように“姪”ということにしていた。
この矛盾がむしろ謎めいた少女というイメージを助長してしまっているようだった。

昼食を駅前のいつもの中華料理店で済ませた。今日は梨果の父親の姿はなかった。

スーパーで食材を買い帰宅する。もしやと思い午後のワイドショーを見てみるとやはり梨果の収録が放映されていた。

「いったいいくつの収録に出たのやら…。」

私に関してはすっかり話題に出なくなっていた。むしろ梨果の美しさと愛嬌がウケて、作品との関わりは時間の経過と共に薄れていったようだ。

「ただいまー。」

梨果が中学から帰ったようだ。

「おかえり梨果。」

抱きしめて口づけをする。

「テレビ録画してくれた?」

「そんな機械はうちにはないよ。」

「学校も大変なの。ウチの教室にみんな来ちゃうし今日なんか上履きが盗まれちゃって…。」

「えっ、それでどうしたの?」

「購買で買った。先生に相談したらロッカーにはこれからは鍵をかけなさいって。」

「いじめられたりしてないよね?」

「わからない。直接なにかされてはいないんだけど…ショック。」

「…そっか。」

(多分いじめというより男子の性的趣向かもしれないな…。)

「リコーダーも鍵をかけてしまっておいてね。」

「え?リコーダーなんて無いよ。」

「あ、そう…。」

「それと校門前にはマスコミがいて待ちかまえてるから裏口から逃がしてもらったよ。」

「学校も大変だね。」

「…うん、迷惑をかけちゃってる。」

「わかった。送迎を出してもらうように事務所に頼んでみるよ。」

「うん…ごめんなさい。」

もう一度抱きしめて口づけをする。長い黒髪を撫で制服越しの乳房を揉む。
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