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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第67章 15歳の誕生日
四条大橋から鴨川を眺める。半年前におじさんと来た時はこんな気持ちでここに立つとは思いもしなかった。

「梨果ー、行こう?」

「美月……。うん。」

「どうしたの?梨果。」

「…半年前におじさんとこの橋の上で話したっけなーってね。」

「……そっか。」

小さな美月が背中から抱きしめてくれた。美月だって寂しいはずなのにいつも私を気遣ってくれる。


「梨果ー、美月ー。先生が集合だってさー。」

「梨果、気持ちは解るけど奏音も呼んでるし、いこ?」

「うん…ゴメン。」

その後の八坂神社も知恩院も清水寺もおじさんと一緒に歩いた思い出の地。


修学旅行中はまったく気が抜けなかった。みんなが常に私に注目していて大口を開けてあくびもできなかった。

宿に着いてみんなで食事をしてみんなでお風呂に入る。お風呂は修学旅行名物の男子の覗き騒ぎがあってドキドキしたし、女子でさえ私の裸に興味津々なようでビシビシと視線を感じた。

「すごいキレイ。梨果ちゃんのカラダで男の人が興奮する気持ちがわかったよー。」

普段あまり話さない女子にもそんな事を言われた。


消灯時間を過ぎると先生の目を盗んで私たちの部屋に男子が大勢やってきた。

お約束の恋バナでは私は完全に敬遠されたようだけど、夜も更けて猥談になるとかなり話を振られた。
特に雑誌“マカロン”はここに来た男子全員が見たようで撮影の時の様子とか心情を訊ねられた。

そして…案の定父のヌード絵画について1人の男子が触れてきた。

「お、お前の例の絵を見たけどあれ…び、Bカップくらい?」

「うん、あの頃はそう。でも今はCカップになったよ。」

正直に答えた。

「おおっ…。」

「うはっ、マジか……。」

Tシャツ姿の私の胸部に男子中学生の視線が集まる。

「やっぱりあの絵もみんな見たの?」

「う…うん…。」

女子たちの様子を伺い恐る恐る肯定する男の子たち。

「そっか……。」

女子たちはそんな男子たちに軽蔑の眼差しを送っていた。
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