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臨時ヌードモデル ~梨果14歳の一年~
第67章 15歳の誕生日
「いやーーーー!!!」

意識を失って海に沈んでいくおじさんを支えた。美月も美幸ちゃんも支え大声で助けを呼ぶ。

「どうしたの!と、父さん!!」

「友也くん!助けて!おじさんを助けてーーー!!」

友也くんがおじさんの腕を抱えて後から来た真田さんと岸に運んでくれた。
富山さんがライフガードに走り救急車を呼んだと言っていた。

「胸骨圧迫!!いち!に!さん、し!」

浜でおじさんを横にしてライフガードさんが心臓マッサージをした。

「おじさん…おじさん…いや、おじさん…。」

「り、梨果ちゃん、胸を…。」

水着のブラを流されたのも忘れ、胸を丸出しにしたままだったのを真田さんが教えてくれた。野次馬がたくさんいたけどそんな事どうでもよかった。


救急車に乗り病院に行く、片時もおじさんから離れたくなかったから着替えもせずブラ無しのビキニのまま。
でも同乗する友也くんが見かねたのかバスタオルを渡してくれた。

病院に着くとおじさんは集中治療室に連れて行かれて私たちはそこから先には入れなかった。



待合室で待っていると真田さんの車でみんながやってきた。

「梨果ちゃん、おじさまは?」

「いま集中治療室……美幸ちゃんどうしよう…。」

美幸ちゃんと美月が寄り添って頭を撫でてくれた。

「梨果、着替えを持ってきたから着替えなよ。風邪引くよ。」

裸で泣いている私に奏音が声をかけてくれた。

「わかった……。」


何時間も待たされたと感じていた時、看護師さんが待合室にやってきた。

「みなさま、こちらへ。」

案内されたのは集中治療室ではなく普通の個室の病室だった。
人工呼吸器やらの医療機器や点滴はなく、ただ眠るようにベッドに横になったおじさんがいた。

「いや………。」

「失礼します。」

男性医師が入室してきた。

「いや………。」

医師は一言こう言い頭を下げた。

「ご臨終です。8月23日13時56分でした。」

私とおじさんが初めて出会った日のちょうど一年後、そして私の15歳の誕生日だった。
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