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第3章 ユートピア

島に着くと県庁の人が出迎えてくれた。

「ようこそユートピアへ」

横浜を出た時、真冬のコートを着ていたのに。
ここでは暑い。
そんなに移動時間はなかったはずなのに。

「どうぞコートはお脱ぎください」

そう話す役人はＹシャツ1枚で快適そうだった。

過ごしやすい気候。これこそがこの島の最大のポイントなんだ。

私たちはコートを脱いで役人が案内してくれる車に乗り込んだ。
綺麗に整備された町並み。
決して開発され過ぎず、自然も残り、適度な過ごしやすさを保っている。
人口を意図的にコントロールしているからか町も汚れていない。

「凄いですね」
それが町を見た感想だった。