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3度目にして最愛
第3章 3度目にして最愛を知る
すぐ動くと思った東条の陰茎は少し間を置いてから、水城の肉壁をゆっくりと動き回り始めた。
彼女はどんな風にこの男が自分を抱いているのか見てみたいと強く思い、恐る恐る両眼を開けた。
過去に見た、情欲を剥き出しにした肉食獣のような獰猛な視線は何処にもなかった。
情愛と慈しみに溢れ、何処までも透き通った両眼が水城を待っていた。
彼女が眼を開いた事で、男の目は三日月の形に細められた。
律動で嬌声を上げ、ついに快楽を拾い始めた水城の頭を男は壊れ物を扱うかのように優しく触れた。
「よく頑張ったな。」
見返りを求めない慈愛に満ち溢れた両眼と声色が、水城の視界と聴覚を刺激した時、彼女は枕の左右先端を掴んでいた両手を男の首の後ろに回した。
管を用いて天を窺った、狭い見識で全てを知った気になっていた愚か者だった。
その事が頭の爪先から足の先まで伝わった瞬間に、目尻から次々と流れ落ちる透明の膜と一緒に、ぐらついてヒビの入った彼女の愛の定義は完全に打ち砕かれてしまった。
装着した0.03mmのゴムに男の精子が放たれたが、不快感は何処にもなく、ただこの上なく幸せだと水城は感じただけだった。