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無垢な彼女
第8章 甘美な彼氏


もう少しだけ鴨宮君との時間に浸ろう…

「うわああぁッ…」

突然の泣き声がしてビックリした。
見ると、小さい子が一人で泣きながら歩いていた。

周りに保護者らしき人物がいなくて、私は急いでその子のところに向かった。

その子の前にしゃがむ。

「どうしたのぉ?パパとママいなくなっちゃったの
かなぁ?」

「うああぁッ…ヒグッ…ーーーーーッ!…ーーー!」

「え!?」

暗くてよくわからなかったけど、よく見ると外国の男の子だった。
何か言ってるけど…どうしよう…わからない…。
英語でもないみたいで、英語でも対処出来ないかもしれないけど…。

すると、鴨宮君が私の横にしゃがんだ。

「……ーー?」

!?

鴨宮君が異国の言葉を話した!?

「ヒック…ーー…ーーー」

先程まで大泣きだった男の子は同じ言葉を話す鴨宮君を見て、なんだか安心したような表情になった。

鴨宮君がその男の子に物凄い爽やかな笑顔を見せて、頭をポンポン撫でると男の子は鴨宮君に抱き付いた。その男の子を鴨宮君はヒョイと抱っこして立ち上がった。

「えっとぉ…何だってぇ?」

「…探し疲れてお腹空いたって」

「そっかぁ…パパとママもしかしたら迷子センターにいるかもしれないから行ってみよっか」

「…あぁ」

鴨宮君は男の子を抱っこしたまま歩きだした。
少し歩き始めると、男の子は眠ってしまった。

「あ…寝ちゃったぁ…鴨宮君の腕安心するもんね」

「別に…疲れたんだろ…」

男の子を抱っこしている鴨宮君を見ると、鴨宮君がパパになった姿を妄想してしまう。

……いいかもぉ///



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