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第3章 笑えねえよ

「誰が作ったんです？　このオムレツ」
「新入りですけど」
「そうか……まあ、そうか」
「お口に合いませんか？」
「いや、懐かしい味だと思っただけですよ」
　あの方がいるわけないのに
　たった一度きり
　私などのために焼いてくれた
　あの方が……二度と現れるはずないのに
　何故こうも似てるのか
　焼き加減まで
「あ、の」
「その新入りに伝えてください。私の担当になれと」
「……？　畏まりました」
　ああ
　少しは食事が
　楽しみになるじゃないか