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そんな男性方
第9章 いや嘘だろ
「来週さ」
「なに?」
「北口のカフェ行かない?」
「良いけど」
「そんでね……オレの両親に会って欲しいわけ」
「げほっ」
「あー、高かった珈琲」
「いや嘘だろ?」
「なんで? そろそろ挨拶して欲しいし」
「何のだよ」
「そんなの結婚のに決まって」
「あのなあ」
「だって前プロポーズ」
「したけど」
「なら」
「ダメだ」
「でも」
「まだダメだ」
「じゃ、いつ?」
「……俺の仕事が安定してから」
「五年は先じゃん」
「んなかからねえよ」
「そうかな」
「お前だって卒業してからのが良いだろ」
「あと二年?」
「嫌か?」
「んー、まー……うー、大学長いなあ」
「卒業はしろよ」
「必要あるかな」
「あるから」
「じゃあ卒業式に予約しとくね」
「今からか?」
「うん」
「はあ。わかった。オレがしとく」
「里親制度もちゃんと調べ……」
「それは気が早い。この国の法律が追い付いてからな」