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そんな男性方
第10章 傘貸して
「雨だ」
「雨だね」
「くっそー、数Ⅲのあの問題に手こずらなければ今頃クーラーの効いた家だったのによ」
「お前公式忘れすぎなんだよ」
「うっせばーか」
「止まないな、これ」
「うん」
「……傘あるか?」
「あるけど」
「傘貸して」
「はあ? お前忘れたのかよ」
「朝の空的に降んねえと賭けたんだよ」
「ばか。ほら、持てよ」
「あ?」
「あ、じゃねーよ。借りる分際で俺に差させる気か? 王子か?」
「ん。じゃあもうちょい寄れよ」
「寄ってるよ! 濡れたくねえし。つめてっ! 傾けんなよ!」
「わり。身長差」
「うっぜ」