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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~
第3章 すれ違う心
「―済まぬ」
 いかほど経ったのだろう、明香には随分と果てしなく長く感じられたが、恐らく実際にはたいした時間ではなかったはずだ。
 明香が震えながら固く瞑っていた瞳を開いた時、既に王の瞳はいつものように凪いでいた。
「予はそなたに尚宮としての任務を全うせよとは言えぬ。残酷なことを申しているのは判っている。だが、この想いはもう止められぬ、予の傍にずっといてくれぬか」
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