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第3章 すれ違う心

　このまま主上が思いとどまって下されば良いが―。
　柳尚宮は薄氷を踏む想いであった。何しろ、王はまだ若い。激情に走れば、止まるのは難しく、しかも孫尚宮は常に王の傍に控えている。いちばん理想的なのは、孫尚宮を王の傍から遠ざけることだが、折角、新しい尚宮として明香も意欲的に務めているというのに、些細なことで任を解くのは酷すぎる。